百日紅(さるすべり) 仲夏
子季語 | 百日紅(ひやくじつこう)、紫薇、怕痒樹、くすぐりの木、白さるすべり |
関連季語 | |
解説 | 梅雨明けごろから九月末まで咲き続ける木の花。「百日紅(ひゃくじつこう)」の名は、 百日ものあいだ咲きつづけることに由来する。花の色は紅のほかに白、紫もある。樹幹の 肌が滑らかで、「猿も滑る」ところからこの名がある。 |
来歴 | 『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。 |
文学での言及 | 足引のやまのかけぢの猿滑りすべらかにても世をわたらばや 藤原為家『夫木和歌抄』 |
実証的見解 | ミソハギ科サルスベリ属の落葉小高木。中国南部が原産で、日本には江戸期以前に渡来し た。高さは大きなもので十メートルくらいになる。幹はなめらかで薄茶色、葉は楕円形で 長さ五センチくらい。七月から九月にかけて、枝先の円錐花序に皺の多い六弁の小花を次 々に咲かせる。 |
参考文献 |
袖に置くや百日紅の花の露 | 貞室 「玉海集」 | ||
籠らばや百日紅の散る日まで | 支考 「菊の香」 | ||
散れば咲き散れば咲きして百日紅-- | 千代女 「松の声」 | ||
百日紅ややちりがての小町寺 | 蕪村 「夜半叟句集」 | ||