昼顔(ひるがお、ひるかほ) 仲夏
子季語 | |
関連季語 | 夕顔、朝顔、夜顔、浜昼顔 |
解説 | 夏の昼間、淡紅色のラッパ状の花を咲かせる。山地や都会の空き地などどこにでも見られ る。日盛りに花を咲かせるところから、朝顔に対してこの名がある。万葉集のなかのカオ バナはヒルガオといわれる。 |
来歴 | 『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。 |
文学での言及 | 真昼野に昼顔咲けりまじまじと待つものもなき昼顔の花 木下利玄『銀』 遠方のものの声よりおぼつかなみどりの中のひるがほの花 与謝野晶子 『春泥集』 |
実証的見解 | 昼顔はヒルガオ科ヒルガオ属の蔓性の多年草。日本各地の山野、道ばた、空き地などに自 生する。結実することはめったになく、地下茎を地中深く伸ばして増える。葉は長楕円形 で五センチから十センチくらいで茎に互生する。七月から八月にかけて葉腋から花柄を伸 ばし、漏斗状の淡紅色の花を一つつける。 |
参考文献 |
昼顔に米つき涼むあはれ也 | 芭蕉 「泊船集」 | ||
子ども等よ昼顔咲きぬ瓜むかん | 芭蕉 「藤の実」 | ||
ひるがほに昼寝せうもの床の山-- | 芭蕉 「韻塞」 | ||
ひるがほの短夜ねぶる昼間哉 | 芭蕉 「ながらのさくら」 | ||
昼顔やしめりなき野のきれ草鞋 | 太祇 「太祇句選」 | ||
とうふ屋が来る昼顔が咲にけり | 一茶 「七番日記」 | ||
ひるがほを踏みて眺めぬ塩屋崎 | 前田普羅 「新訂普羅句集」 | ||
昼顔やますぐな道のさびしさに | 松本たかし 「石魂」 | ||