真菰(まこも) 三夏
子季語 | 菰、花且見、勝見草、真菰草 |
関連季語 | 真菰の花 |
解説 | 夏、水辺に青々と生い茂る。蘆のように丈が高い。蘆に似ているが、蘆よりも水深の深い ところに生える。その葉で菰筵を作ったので、真菰という名がある。 |
来歴 | 『俳諧御傘』(慶安4年、1651年)に所出。 |
文学での言及 | 真菰刈る淀の沢氷雨降れば常よりことに増さるわが恋 紀貫之『後撰集』 真菰刈る淀の沢氷深けれど底まで月の影は澄みけり 前中納言匡房『新古今集』 |
実証的見解 | 真菰は、イネ科マコモ属の多年草で日本各地の水辺に自生する。高さは二メートルにもな り、葉の長さは五十センチから一メートルくらい。地下茎が水底を這って群落をつくる。 蘆と同じような条件で群生するが、足よりも水深の深いところで生える。雌雄同株。花序 は茎の先端に円錐状につく。花序の上部には雌花の小穂がつく。地下茎は「菰角(コモヅ ノ)」といって甘味があり、白鳥や菱食などに食べられる。 |
参考文献 |
水深く利鎌ならす真菰刈 | 蕪村 「蕪村句集」 | ||