黴(かび) 仲夏
子季語 | 青黴、毛黴、黒黴、白黴、黴の香、黴の宿、黴煙、黴の花、黴拭ふ、黴る |
関連季語 | |
解説 | 梅雨時の高温多湿に乗じて発生する菌の一種。食べもの、衣類、畳、壁など、何にでも発 生する。鬱陶しい長雨の季節を象徴するものであるが、味噌醤油の製造に欠かせない麹黴 やペニシリンを作る黴など、有益なものもある。 |
来歴 | |
文学での言及 | |
実証的見解 | カビ類とは、アオカビ、コウジカビ、ケカビなどのように、「かびる」現象を起こす微生 物をさす。大部分のカビ類は、細胞が細長く縦につながって糸のような形をしている。こ れを菌糸といい、少数のものは終生単細胞で終わる。生殖は、胞子を形成して無性的に繁 殖するものと、両親となる二つの菌糸が融合し接合胞子を形成する有性生殖とがある。 |
参考文献 |
黴の宿頭上に橋の音すなり | 久米三汀 「返り花」 | ||
徐(おもむろ)に黴がはびこるけはひあり-- | 松本たかし 「火明」 | ||
きりもなく黴の湧きくる机かな | 長谷川櫂 「天球」 | ||