子季語 | 白秋、白帝、素秋、商秋、金秋、凜秋、爽節、収成、三秋、九秋 |
関連季語 | |
解説 | 万物が暑い夏を乗り越えて冬へ向かう途中の爽快な季節。ただ、快適とばかりではなく、 残暑厳しい八月も、肌寒さを覚える十月も秋である。空気も水も澄み渡り、山々は紅葉す る。収穫の秋であり、月をめでる秋である。白帝は中国の五天帝の一人で秋を司る神であ る。 |
来歴 | 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。 |
文学での言及 | 秋は、夕暮。夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて、三 つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。まいて、雁などの列ねたるが、いと 小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はたいふべきにあら ず。 清少納言『枕草子』 |
実証的見解 | 立秋から立冬の前日まで。現在の暦では八月八日頃から十一月八日頃。五穀や果実が実り やがて木々は葉を落とし草花は枯れ、冬へと向かう。陰暦では初秋、仲秋、晩秋の三秋を まとめて九秋と呼ぶ。五行説で秋の色は「青春、朱夏、白秋、玄冬」のうち「白秋」の白 とされる。 |
参考文献 |
寂しさや須磨に勝ちたる浜の秋 | 芭蕉 「奥の細道」 | ||
此の秋は何で年よる雲に鳥 | 芭蕉 「笈日記」 | ||
おくられつおくりつはては木曽の秋 | 芭蕉 「曠野」 | ||
夜あるきにから櫓の音や浦の秋 | 去来 「続有磯海」 | ||
卒爾なる雲も出でけり秋の旅 | 路通 「浪化上人日記」 | ||
田の肥に藻や刈り寄する磯の秋 | 惟然 「藤の実」 | ||
定宿の持仏拝むや秋の旅 | 蕪村 「落日庵句集」 | ||
夕暮や都の人も秋の顔 | 千代女 「真蹟」 | ||
病間あり秋の小庭の記を作る | 正岡子規 「子規句集」 | ||
艪の音のしづかな秋となりにけり | 長谷川櫂 「蓬莱」 | ||