行く春(ゆくはる) 晩春
子季語 | 春の名残、春のかたみ、春の行方、春の別れ、春の限り、春の果、春の湊、春の泊 春ぞ隔てる、春行く、春尽く、春尽、徂春、春を送る |
関連季語 | 春惜しむ、春の暮 |
解説 | まさに過ぎ去ろうとする春をいう。ことに春は厳しい寒さの中で待ち望んだ季節だけに送 るのは惜しい。「春惜しむ」というと、さらに愛惜の念が強くなる。 |
来歴 | 『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。 |
文学での言及 | 花もみな散りぬる宿は行く春のふるさととこそなりぬべらなれ 紀貫之『拾遺集』 |
実証的見解 | |
参考文献 |
行はるや鳥啼うをの目は泪 | 芭蕉 「奥の細道」 | ||
行春を近江の人とをしみける | 芭蕉 「猿蓑」 | ||
行春にわかの浦にて追付きたり | 芭蕉 「笈の小文」 | ||
とゝ川の春やくれ行葭の中 | 丈草 「丈草発句集」 | ||
ゆく春やおもたき琵琶の抱ごゝろ | 蕪村 「五車反古」 | ||
ゆく春や鄙の空なるいかのぼり | 白雄 「白雄句集」 | ||
行春やうしろ向けても京人形 | 渡辺水巴 「白日」 | ||
行く春や心の中の蓑一つ | 長谷川櫂 「初雁」 | ||