湯婆/たんぽ
湯婆 三冬 |
湯たんぽ/懐中湯婆 |
寝床や手足を温めるための器具。熱湯を入れて毛布などで包み、 寝床に入れる。柔らかな温かさと、火の用心からも安全なので、 老人、小児、病人に向いている。 |
起さるる声も嬉しき湯婆かな | 支考 「枯尾花」 | ||
寝がへりに音をあやしむ湯婆かな | 嘯山 「葎亭句集」 | ||
勤行に起き別れたる湯婆かな | 太祇 「太祇句集」 | ||
先づよしと足でおし出すたんぽかな-- | 一茶 「七番日記」 | ||
我恋は夜ごと夜ごとの湯婆哉 | 一茶 「文政句帖」 | ||
なき母の湯婆やさめて十二年 | 夏目漱石 「漱石全集」 | ||
生涯のあはたゞしかりし湯婆かな | 村上鬼城 「定本鬼城句集」 | ||
寂寞と湯婆に足をそろへけり | 渡辺水巴 「水巴句集」 | ||
湯婆やまだなきがらの足もとに | 長谷川櫂 「虚空」 | ||