【子季語】
梅雨寒し、梅雨冷
【解説】
雨が降り続く梅雨のころの冷えをいう。往時の田植えの頃でもあり、農家の人は寒いので布子を着ることもあった。
【例句】
梅雨寒や尼の肋骨数うべう
前田普羅「新訂普羅句集」
梅雨寒の昼風呂ながき夫人かな
日野草城「花氷」
【子季語】
梅雨寒し、梅雨冷
【解説】
雨が降り続く梅雨のころの冷えをいう。往時の田植えの頃でもあり、農家の人は寒いので布子を着ることもあった。
【例句】
梅雨寒や尼の肋骨数うべう
前田普羅「新訂普羅句集」
梅雨寒の昼風呂ながき夫人かな
日野草城「花氷」
【子季語】
酷暑、猛暑
【解説】
七月の末から八月の上旬にかけて、きびしい暑さになる。暑さの極みのことをいう。
【例句】
蓋あけし如く極暑の来りけり
星野立子「笹目」
【子季語】
盆山
【解説】
方形や円形の小さくて浅い箱の中に土を入れ、小さな木を植え庭園の風景を写し取ったもの。そのなかの草木が青々と水を湛えたさまはいかにも涼しげである。
【子季語】
饐飯、煮物饐える、汗の飯、飯の汗
【解説】
夏の暑い盛りは飯が饐えるのが早くなる。昔は飯を飯笊に入れて涼しい所に吊るしたりしていた。
【子季語】
堰守、夜水番、水番小屋、水盗む、水盗人、水守る
【解説】
田に引く用水を、よその田に盗まれないように見張りすること。夏の盛り、農家では田水が不足しがちで水泥棒が現れたりした。
【例句】
銀河天に高張立てし水の番
泉鏡花「鏡花全集」
水番の大ごゑわたる朝田かな
五十崎古郷「古郷句集」
がたと鳴る水番小屋の掛時計
高田正子「花実」
【子季語】
初伏、中伏、末伏
【解説】
陰陽五行説に基づく選日のひとつ。夏至の後、第三の庚の日を初伏、第四の庚の日を中伏、立秋後の第一の庚の日を末伏といい、それを総称して三伏という。七月中旬から八月上旬の酷暑の頃である。
【例句】
九夏さんふく風きかぬ暑さ哉
正成「崑山集」
三伏の日に酒のみの額かな
淡々「淡々句集」
三伏の闇はるかより露のこゑ
飯田龍太「山の木」