【解説】
ウスバカゲロウ科の昆虫。トンボに似て、細長い暗褐色の体に透明な羽を持つ。これの幼虫は、蟻地獄である。
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梟(ふくろう、ふくろふ)三冬
【子季語】
ふくろ、母食鳥、しまふくろう、しろふくろう
【解説】
フクロウ科の猛禽。夜間活動し、野鼠や昆虫などを捕食する。ミミズクとは同じ仲間で、頭部に突き出た耳のようなものがあるものをミミズクといい、ないものをフクロウと呼んでいる。
【例句】
梟よ松なき市の夕あらし
其角「五元集」
梟の来ぬ夜も長し猿の声
北枝「小弓俳諧集」
梟や笹の葉光る隣りの火
蝶夢「草根発句集」
梟のむくむく氷る支度かな
一茶「七番日記」
梟をなぶるや寺の昼狐
正岡子規「新俳句」
梟の眼に冬の日午なり
正岡子規「子規句集」
梟淋し人の如くに瞑る時
原石鼎「花影」
梟や干葉で足蒸す夜頃なり
富田木歩「定本木歩句集」
梟やたけき皇后の夜半の御所
竹下しづの女「同人句集」
梟が来ては古戸に目をつける
広江八重桜「筑摩文学全集」
ふくろふに真紅の手毬つかれをり
加藤楸邨「怒濤」
鮃(ひらめ)三冬
【子季語】
比良魚、平目、寒鮃
【解説】
ヒラメ科の魚の総称。その体は楕円形で平べったい。両目が体の同じ面についていて、海底に寝そべった状態で棲息する。日本に広く分布し、十月から一月が旬。刺身のほか焼いても煮てもおいしい。寒い時期には煮凝ができやすい魚でもある。
青鷺(あおさぎ、あをさぎ)三夏
白鳥(はくちょう、はくてう)晩冬
春の鹿(はるのしか)三春
【解説】
雄は角が落ち、雌は出産してその後は毛が抜け落ちる。雄も雌もなんとなくみすぼらしい感じになる。
【科学的見解】
シカ(ニホンジカ)は、ウシ目(偶蹄目)シカ科の哺乳類で、形態的特徴により北海道に生息するエゾジカ、東北から近畿地方に生息するホンシュウジカ、中国・四国地方から九州までに生息するキュウシュウジカ、鹿児島県馬毛島に生息するマゲジカ、鹿児島県屋久島に生息するヤクシカ、沖縄県慶良間諸島に生息するケラマジカの六亜種に分類されている。
一般的に哺乳類は緯度の高い地域に存在する亜種ほど体は大きくなり、沖縄のケラマジカは雄の平均体重が約三十キログラムに対して北海道のエゾジカは約百四十キログラムと五倍近くに成長する。それらの亜種は、人里近くの低地から山地までの森林や草地が入り混じる環境を好んで生活している。積雪の多い地域は苦手としている。昼夜問わず行動し、植物の葉や新芽、樹皮、キノコなどを採食している。雄のみ枝分かれのある角を持ち、毎年春に角を落とす。角が落ちた後は、すぐに新しい角が現れ、秋までには硬化し、立派な角に生え変わる。体毛は夏毛と冬毛を有し、春は冬毛から夏毛に抜け替わる季節である。夏毛は明るい茶色に白点が入り混じる模様となる。(藤吉正明記)
【例句】
思ひわすれ思ひ出す日ぞ春の鹿
千代尼「寄合句帖」
うらうらと草はむ春の野鹿かな
白雄「白雄句集」
野の空をうけてありくや春の鹿
乙二「をのゝえ草稿」
春鹿の眉ある如く人を見し
原石鼎「花影」
春の野を持上(もた)げて伯耆大山を
森澄雄「鯉素」
ががんぼ 三夏
天道虫(てんとうむし、てんたうむし)三夏
夏の蝶(なつのちょう、なつのてふ)三夏
鴉の子(からすのこ)三夏
【子季語】
烏の子、子鴉、親鴉
【解説】
鴉は夏に子を育てる。お寺の杉の木や神社の森など人家の近くにも巣をつくり、卵は普通二、三個程度。子育て中は親鳥も気が立っているのか、巣の下を通ると人を威嚇したりする。
【例句】
口あけて屋根迄来るや烏の子
正岡子規「寒山落木」
風切羽切られて育つ烏の子
村上鬼城「定本鬼城句集」
くちばしのあきつぱなしや烏の子
高田正子「花実」