【解説】
ダイコンの一品種で鹿児島県桜島でとれるもの。球形または扁球 形で約十~三十キロにもなる。煮物、漬物にして美味。
【科学的見解】
ダイコンは、アブラナ科ダイコン属の野菜であり、地中海域東部原産とされている。日本へは、大陸経由で導入され、古代より栽培が行われてきた。その一品種が、桜島(別名:桜島大根)である。桜島は、世界最大のダイコンで、温暖な地域で栽培すると春先まで肥大し続ける。肉質は、緻密である。(藤吉正明記)
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浜大根の花(はまだいこんのはな) 晩春
【解説】
ダイコンの野生化したもので、日本各地の海岸、砂地、川原などに生える。高さは六、七十センチくらいになり、花弁のふちが淡い紅紫でダイコンの花より派手な感じがする。晩春、茎の先に総状花序をだし、十字の花をつける。葉は大根に似て荒い毛がある。
【科学的見解】
浜大根(ハマダイコン)は、栽培されていた大根が逸出し、野生定着することで形態・性質に変化が生じ、変種となったとされている。葉や花など見た目の形態は大根と似ているが、根系部分は肥大しない。(藤吉正明記)
中抜大根(なかぬきだいこん) 仲秋
【子季語】
疎抜大根/虚抜大根/間引大根
【解説】
二度目に間引いた大根のこと。大根は、秋に種をまいて発芽したあと過ぐに間引くが、大きくなる前にもう一度間引いて、その成長を促す。二度目に間引かれた大根は、太さが小筆くらいになっており、その葉と共に漬物や味噌汁の具に利用する。
浅漬大根(あさづけだいこん) 晩秋
【解説】
大根の当座漬である。二三日干した大根を比較的薄塩にして漬け 込んだもの。沢庵ができるまでの香の物として重宝される。
大根祝ふ(だいこんいわう/だいこんいはふ)新年
【解説】
大根飾る 蓬莱台や鏡餅に添えて大根を飾ること。大根は、歯固めや雑煮の材料として古くから用いられてきた。また大根は食毒を消し、消化を助け、口臭を消すいわれ、邪気払いに通じる野菜でもあった。
大根洗(だいこんあらい/だいこんあらひ)三冬
【子季語】
大根洗ふ
【解説】
畑から引き抜いてきた大根を洗うこと。川や井戸水などで洗われて大根は真っ白になる。
【例句】
夕月に大根洗ふ流れかな
正岡子規「子規句集」
大根干す(だいこんほす) 初冬
幸木(さいわいぎ、さいはひぎ)新年
【子季語】
万懸け、懸の魚、十二節
【解説】
正月の飾り物。九州、四国地方にみられる。横に吊った長い木に鰤、いりこ、雁、鴨、大根、人参、牛蒡,昆布等をかけ連ねたもの。三が日に使う食材をにぎやかに並べて新年を祝った。
【例句】幸木てふ名の目出度さよ雁一羽
松頼青々「倦鳥」
いざ祝へ鶴をかけたる幸木かな
松瀬青々「松苗」