【子季語】
べつたらづけ
【解説】
十一月頃、軽く生干しにした大根をぬか又はこうじに漬ける。一週間ほどで水が上り食すことができる。パリパリと歯切れがよく、初冬のみずみずしい味覚である。
【例句】
浅漬の歯に透通る男かな
蓼太「発句題叢」
検索結果: "大根"
石狩鍋(いしかりなべ)三冬
【子季語】
鮭鍋
【解説】
北海道石狩地方の郷土料理。石狩川で採れる鮭を、頭からぶつ切りにして大根、白菜、葱、豆腐、こんにゃくなどと一緒に煮る。味噌仕立てで、野趣にとみ滋養のある鍋物である。
干菜汁(ほしなじる)三冬
【解説】
干した大根や蕪の葉を茹で戻して、味噌汁の実にしたもの。豆腐 や油揚げなどといっしょに煮る。雪国にとって、昔は大切な越冬惣菜の一つでもあった。
風呂吹(ふろふき)三冬
氷頭膾(ひずなます、ひづなます)仲秋
【解説】
鮭の頭部の軟骨を薄く切り、大根おろしを加えて膾にしたもの。酒の肴によい。
べつたら市(べったらいち)初冬
【解説】
十月十九日と二十日東京日本橋の大伝馬町通に立つべったら漬を 売る市。もともとは、えびす講にお供えをするためのものを商う 市であったが浅漬け大根のべったら漬けがよく売れたことから「べったら市」と呼ばれるようになった。
狸汁(たぬきじる)三冬
【解説】
狸は山里に棲むが、人里近く下りて来ることもある。それを捕ら え、肉を大根や牛蒡と一緒に煮て、味噌味等で食する。冬の狸の 肉は、秋に栄養をしっかり蓄えているため肥えていて美味である。
【例句】
方正を守る豆腐や狸汁
石井露月「露月句集」
狸汁座中の一人ふと消えぬ
佐藤紅緑「花紅柳緑」
寄鍋(よせなべ)三冬
【解説】
具材として決まったものはなく、旬の魚介や野菜、肉を入れて煮 る。食べるときは、好みで、ぽん酢や大根おろし等でいただく。 冬の家庭料理の定番である。【例句】
寄鍋やたそがれ頃の雪もよひ
杉田久女「杉田久女句集」
沢庵漬(たくあんづけ)初冬
【子季語】
沢庵漬ける、新沢庵、新漬沢庵、早漬沢庵、大根漬、大根漬ける
【解説】
干大根に糠と塩をし漬物にする。愛知の宮重大根、東京の練馬大根などが有名。糠八、塩二の割合を二升塩。古漬ともなれば七升塩で二、三年は漬ける。沢庵和尚の創始とも伝えられているが、定かではない。修行僧の食事にもかかせないものである。
【例句】
来て見れば沢庵漬の石一つ
嵐雪「玄峰集追加」
大根漬けて来年近く迫りけり
赤木格堂「春夏秋冬」
干菜吊る(ほしなつる)初冬
【子季語】
懸菜、吊菜、干菜、干葉
【解説】
晩秋から初冬にかけて軒下などに蕪や大根の葉を干して保存食材とする。その葉の部分を干菜といい、味噌汁の具などにする。また体を温めることから風呂に入れたりもした。
【例句】
みのむしの掛菜を喰らふ静さよ
白雄「白雄句集」
程あらで掛菜にむつき干す家かな
白雄「白雄句集」
里侘しかけ菜が下のつり階子(はしご)
白雄「白雄句集」
鶯に藪の懸菜のにほひかな
太祗「太祗句選後編」
ひよ鳥のちよこちよこ見廻ふかけ菜かな
一茶「九番日記」