注連飾(しめかざり) 新年
子季語 | 注連縄、七五三縄、年縄、縄飾、飾藁、掛飾、大飾、輪飾、前垂注連、大根注連 |
関連季語 | 注連飾る、注連貰、飾納 |
解説 | 正月、門や玄関に張る縄。藁を左に縒り、先を垂らしたり輪形にするなど形はさまざま。 昔は、伊勢海老や橙、昆布など縁起物を取り付けたが、最近では簡素なものが多く、車や 船などにも掛ける。「注連飾る」は暮の季語。 |
来歴 | 『俳諧初学抄』(寛永18年、1641年)に所出。 |
文学での言及 | 天火照大御神、いよいよ奇しと思ほして、やや戸より出でて臨み坐す時に、その隠り立て りし天手力男神、その御手を取りて引き出す即ち、布刀玉命、しりくめ縄をそのみしりに 控き度してまおししく、これより内にな還り入りそ、とまをしき 『古事記』 |
実証的見解 | 注連縄の起源は、天照大神が再び天の岩戸に入らないように、その入り口に張った「しり くめ縄」とされ、清められた神の領域を示し、魔除け、疫病除けの意味を持つ。注連縄に は太い「大根注連」と比較的細い「牛蒡注連」があり、いずれも等間隔に幣をたらす。縄 から藁を一面にたらした前垂注連が一般的で、藁を輪にして掛けるものは輪飾り、輪注連 などという。 |
参考文献 |
春立とわらはも知やかざり縄 | 芭蕉 「藪香物」 | ||
神風や霞に帰るかざり藁 | 蕪村 「明和九年句稿」 | ||
二つ三つ藪にかけるやあまり七五三--- | 一茶 「八番日記」 | ||
輪飾りや竈の上の昼淋し | 河東碧梧桐 「明治俳句」 | ||
古鍬を研ぎすましたる飾かな | 村上鬼城 「定本鬼城句集」 | ||
仰ぎ見る大注連飾出雲さび | 杉田久女 「杉田久女句集」 | ||