苔の花(こけのはな) 仲夏
子季語 | 花苔 |
関連季語 | 苔茂る |
解説 | 梅雨のころ、苔に咲く白や紫、赤などのごく小さな花のごときもの。 |
来歴 | 『俳諧大成新式』(元禄11年、1698年)に所出。 |
文学での言及 | |
実証的見解 | 苔の花といっても正確には花ではない。苔は原始的な植物で苔類、蘚類、ツノゴケ類、地 衣類などに分類されるものの総称である。「苔の花」というのはこれらの苔類から立ち上 がる生殖器官のこと。苔類では雌器床、雄器床がそれであり、蘚類は地衣類は胞子嚢がそ れである。 |
参考文献 |
今の夜の竹を育てつ苔の花 | 才磨 「墨吉物語」 | ||
岩角や火縄すり消す苔の花 | 太祇 「太祇句集後編」 | ||
踟幮する沓に音なし苔の花 | 蕪村 「夜半叟句集」 | ||
絶々に温泉の古道や苔の花 | 蓼太 「蓼太句集初編」 | ||
水かけて明るくしたり苔の花 | 乙二 「をのゝえ草稿」 | ||
松かさのころびかかるや苔の花-- | 羅川 「ひこ鯛」 | ||
苔咲くや親にわかれて二十年 | 鬼城 「鬼城句集」 | ||