踊(おどり、をどり) 初秋
子季語 | 盆踊、音頭取、踊場、踊子、踊浴衣、踊笠、踊太鼓、踊見、念仏踊、題目踊、灯籠踊、 豊年踊、踊唄 |
関連季語 | |
解説 | 踊りといえば盆踊のことで、他の踊りではない。八月の十三日から十六日にかけて行われ る。寺社の境内や町の広場などに櫓を設け、笛や太鼓にあわせて踊る。輪になって踊った り、行列を作って町を流れたりする。 |
来歴 | 『花火草』(寛永13年、1636年)に所出。 |
文学での言及 | |
実証的見解 | 盆踊は本来、盆に帰ってきた先祖の霊を慰めめるための踊りである。空也上人や一遍上人 の踊念仏が起源で、室町時代の初めには、太鼓や瓢箪などをたたいて踊るようになった。 現在のように囃子や唄に合わせて踊るようになったのは江戸末期とされる。踊り手が笠や 手拭いで顔を隠して踊るのは、盆に迎えられた祖霊を表すもの。現代ではその土地の伝統 や風習を守った「踊」と娯楽の要素の強い「踊」とがある。 |
参考文献 |
四五人に月落ちかかるをどりかな-- | 蕪村 「蕪村句集」 | ||
うかと出て家路に遠き躍かな | 召波 「五車反古」 | ||
六十年踊る夜もなく過しけり | 一茶 「九番日記」 | ||
一めぐり人待かぬるをどりかな | 尚白 「阿羅野」 | ||
踊子や紅が淋しき草履の緒 | 原月舟 「月舟俳句集」 | ||
輪の中へ身を投げ出して踊りかな | 長谷川櫂 「新年」 | ||