春の夜(はるのよ) 三春
子季語 | 春夜、夜半の春 |
関連季語 | 春の宵 |
解説 | 朧のかかる夜であり、花の匂う夜である。雨になってもあたたかく、人の心をゆったりと させる夜である。 |
来歴 | 『滑稽雑談』(正徳3年、1713年)に所出。 |
文学での言及 | 春の夜の闇はあやなし梅の花色こそ見えね香やは隠るる 凡河内躬恒『古今集』 |
実証的見解 | |
参考文献 |
春の夜や籠り人ゆかし堂の隅 | 芭蕉 「笈の小文」 | ||
春の夜は桜に明けてしまひけり | 芭蕉 「韻塞」 | ||
春の夜はたれにか初瀬の堂籠り | 曽良 「猿蓑」 | ||
春の夜や女をおどす作りごと | 太祇 「新五子稿」 | ||
春の夜や盥をこぼす町外れ | 蕪村 「落日庵句集」 | ||
春の夜に尊き御所を守身かな | 蕪村 「蕪村句集」 | ||
春の夜や宵あけぼのゝ其中に | 蕪村 「蕪村句集」 | ||
春の夜や足洗はする奈良泊り | 召波 「春泥発句集」 | ||
春の夜の月より明けて天竜寺 | 暁台 「几董初懐紙」 | ||
春の夜や雨をふくめる須磨の月 | 青蘿 「青蘿発句集」 | ||
春の夜やくらがり走る小提灯 | 正岡子規 「子規句集」 | ||
春の夜や妻に教はる荻江節 | 夏目漱石 「漱石全集」 | ||
春の夜や顔あまやかす牡丹刷毛 | 日野草城 「花氷」 | ||
春の夜に立ちはだかるは百貨店 | 五島高資 「海馬」 |