煤払(すすはらい、すすはらひ)暮
【子季語】
煤掃、加年払、年の煤、煤竹、煤竹売、煤納、煤の日、煤見舞、煤おろし、煤日和、煤の餅
【解説】
家中の埃や塵を払うこと。昔はどの家でも炉を焚いたり、竈で飯を焚いていたから、天井や梁は煤でおおわれ、そのかさが一寸ほどにもなった。今は、昔ほどではないが、新年を迎えるのにきれいさっぱりという気持ちにかわりない。
【例句】
旅寝してみしやうき世の煤はらひ
芭蕉「笈の小文」
煤はきは己が棚つる大工かな
芭蕉「炭俵」
煤掃は杉の木の間の嵐哉
芭蕉「己が光」
すすはきの中へ使ひやひねり文
太祇「太祇句選」
煤はきやなにを一つも捨てられず
支考「葛の松原」
煤はきや飴の鳥うる藪のかげ
士朗「枇杷園句集」
煤さわぎすむや御堂の朱 燭
一茶「九番日記」
煤じまひ沼夕栄の蔵の戸に
河東碧梧桐「新傾向句集」
梵鐘をくすぐるごとし煤払
長谷川櫂「蓬莱」