柳絮(りゅうじょ、りうじよ) 仲春
【子季語】
柳の絮、柳の花、柳絮飛ぶ
【関連季語】
柳
【解説】
柳は春、花を咲かせたあと、綿毛のような実を結ぶ。これが柳絮だが、風にのって運ばれてゆくさまは雪が舞うようでも、羽毛が舞うようでもある。
【来歴】
『はなひ大全』(延宝3年、1675年)に所出。
【科学的見解】
柳の種子のことである。早春、柳は葉が出る前に花をつける。その花がのちに実を結びそれが乾燥すると裂けて、綿毛でおおわれた多くの種子を風により飛散させる。その様子は、春から初夏にかけての風物詩にもなっており、上高地のケショウヤナギなどは有名である。種子は、水分などの条件が良い場所に定着できれば、数日で発芽する。(藤吉正明記)
【例句】
眠たさや柳絮ちる長堤
蝶夢「東遊紀行」
ある時は柳絮に濁る山おろし
前田普羅「春寒浅間山」
とつぷりと暮たる空を柳絮飛ぶ
長谷川櫂「蓬莱」