藪虱(やぶじらみ)三秋
【子季語】
草虱、窃衣、藪人参
【解説】
山野の湿地に自生するセリ科の越年草。茎は直立して枝分かれする。丈は、三十センチから八十センチくらい。葉は羽状複葉で細かく分裂する。五月から七月にかけて複散形花序を七八本出し、白い五弁の花を咲かせる。花のあとの果実は、褐色で卵形の楕円形。毛が密生してものにくっつきやすい。
【科学的見解】
ヤブジラミは、日本全土に生え、ユーラシア大陸に広く分布しているセリ科の草本植物である。和名の由来は、本種がよく藪に生え、刺のある実がシラミのように衣類につきやすいためその名がついた。引っ付き虫の仲間である。近縁の種としては、葉が薄く花柄の少ないオヤブジラミが存在する。(藤吉正明記)
草じらみうしろ鏡のもすそにも
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」