青蘆(あおあし、あをあし)三夏
【子季語】
青葦、蘆茂る、青蘆原
【関連季語】
蘆の角、蘆の花、蘆刈、蘆火、枯蘆
【解説】
青々と茂る蘆のこと。古事記によれば日本は「豊蘆原の瑞穂の国」であり、古代から豊かに蘆が生い茂り、稲穂がみずみずしく実っていたとされる。「あし」が「悪し」に通じるので、これを避けて「よし」とも呼ぶ。
【来歴】
『俳諧通俗誌』(享保2年、1716年)に所出。
【科学的見解】
蘆は、イネ科のヨシ属の多年草。標準和名はヨシと呼ばれ、日本各地の河川や沼地に自生し、二メートルほどの高さになる。地下茎が水底の泥を這い群落をつくる。芒に似た葉は、二列に互生する。八月から十月にかけて円錐花序だし、小穂を持った暗紫色の花を咲かせる。蘆の茎は刈り取ってすだれや屋根の材料にする。(藤吉正明記)
【例句】
片意地に蘆の片葉や法花村
一茶「九番日記」
棲めば吾が青蘆原の女王にて
竹下しづの女「はやて」