八重葎(やえむぐら/やへむぐら)三夏
【子季語】
葎/小児教草/葎生/葎の宿/葎の門/もぐら
【解説】
アカネ科の蔓性越年草で雑草。茎は四角く、逆向きの小さい刺があり、細長い葉を八個輪生につける。夏、黄緑色の小花を開く。「葎」とは繁茂して藪を作るという意味。
【科学的見解】
ヤエムグラは、アカネ科のつる性一年草または多年草であり、北海道から沖縄までの荒れ地や人家近くに普通に生育している。本種は、茎があまり強くなく、茎にある刺を周りの物に引っ掛けながら生育する。近縁種としては、果実に刺のないトゲナシヤエムグラ(ユーラシア原産)が存在し、北海道や関東地方に稀に帰化しているとのことである。(藤吉正明記)
【例句】
山賤のおとがひ閉づる葎かな
芭蕉「続虚栗」
古寺や葎の下の狐穴
闌更「半化坊発句