春一番(はるいちばん) 仲春
【子季語】
春一、春二番、春三番、春四番
【関連季語】
春疾風
【解説】
立春後、はじめて吹く強い南寄りの風。この風で草木の芽がほどけはじめ、春の本格的な訪れとなる。もともとは漁師言葉である。
【実証的見解】
立春から春分までの間に、日本海を進む低気圧に向かって、太平洋上の高気圧から吹き込む強い風が春一番である。毎年きまって吹くわけではなく、「春一番観測なし」の年もある。春一番のあと同様に吹く風は、「春二番」「春三番」と呼ぶ。
【例句】
春あらし牧の木むれをわたりゆく
石橋辰之助「山暦」