春の雷(はるのらい)三春
【子季語】
春雷
【関連季語】
初雷
【解説】
春に鳴る雷をいう。特に立春を過ぎてから初めてなる雷を初雷という。春の雷には積乱雲の起こす夏の雷の烈しさはない。
【例句】
山の背をころげ廻りぬ春の雷
高浜虚子「七百五十句」
春雷や牡丹の蕾まつ蒼に
川端茅舎「川端茅舎句集」
春雷の大轟のたゞ一度
星野立子「句日記Ⅱ」
春の雷鯉は苔被て老いにけり
芝不器男「芝不器男句集」
春雷にお能始まる御殿かな
村上鬼城「鬼城句集」
山を出て山にかへしぬ春の雷
菅原師竹「菅原師竹句集」
春の雷ひびく赤子の六腑かな
飯田龍太「山の木」
あえかなる薔薇撰りをれば春の雷
石田波郷「鶴の眼」
春雷や芽を解きいそぐななかまど
石田波郷「酒中花」