凧(たこ)三春
【子季語】
いかのぼり、いか、はた、字凧、絵凧、奴凧、凧揚げ、凧合戦、六角凧、連凧、カイト、洋凧
【解説】
竹ひごの骨組みに和紙を張った遊び道具。風の力で空高く揚げて楽しむ。子どもが揚げるもののほかに、凧合戦として上げられる巨大なものもある。江戸時代の歳時記『増山の井』には、「春の風は下から吹上げるので、凧がよく上がる」とある。
【来歴】
『増山の井』(寛文7年、1667年)に所出。
【例句】
夕ぐれのものうき雲やいかのぼり
才麿「其袋」
凧きのふの空のありどころ
蕪村「蕪村句集」
山路来て向ふ城下や凧の数
太祇「太祇句選後篇」
いかのぼり東寺八坂の塔の間
蝶夢「草根発句集」
凧だいたなりですやすや寝たりけり
一茶「七番日記」
人もなし野中の杭の凧
正岡子規「子規句集」
うまや路や松のはろかに狂ひ凧
芝不器男「芝不器男句集」
凧のぼるひかりの網の目の中を
飯田龍太「山の影」