柊の花(ひいらぎのはな、ひひらぎのはな)初冬
【解説】
モクセイ科の常緑小高木で、光沢のある厚手の葉はぎざぎざととげがあり触れると痛い。「ひいらぐ」ことから命名。十一月ごろ、めだたないが香りのよい白い小花をいっぱいつける。こぼれ落ちた花が道路を真っ白に染めている光景をよく見かける。節分にいわしの頭をつけた柊の枝を玄関先に差しておくと鬼を退散させるといわれ、「柊挿す」という節分の季語もある。
【科学的見解】
柊(ヒイラギ)は、モクセイ科モクセイ属の在来植物であり、関東以西から沖縄までの山地に生育している。庭木としても利用されている。ヒイラギは、キンモクセイやギンモクセイの近縁種である。(藤吉正明記)
【例句】
ふれみぞれ柊の花の七日市
其角「其角発句集」
柊の花や戸板のすすけだつ
老雅「発句題叢」
ひひらぎの生けらてすぐ花こぼす
高田正子「花実」