夏蓬(なつよもぎ)三夏
【子季語】
蓬たく
【解説】
丈高く伸びた夏の蓬のこと。茎は木のように堅くなり、淡褐色の 花をつける。夏蓬が生い茂って荒れはてた様から「蓬々」という形容詞が生まれた。葉裏に白い細かい毛が生えた夏蓬の葉を乾燥させて艾(もぐさ)を作る。
【科学的見解】
ヨモギは、キク科の多年草であり、日本各地の市街地から丘陵地まで広く生育している。春先の新芽・若葉の時期には、草餅作りの材料として摘まれることが多いが、夏になると茎が生長し、一メートルほどになるため、春先の様相と大きく異なる。近縁種としては、同じキク科ヨモギ属のオトコヨモギが存在するが、オトコヨモギの葉の裏には白毛がないため、その点で区別できる。(藤吉正明記)