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季語と歳時記

きごさい歳時記

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暮の秋(くれのあき)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
暮秋、秋暮る、秋暮れて
【解説】
秋も終わり近い頃をいう。秋の夕暮ではない。「晩秋」より心理的な要素を含む。「暮の秋」「行く秋」「秋深し」の順に秋を惜しむ気持ちが濃くなる。
【例句】
髭風を吹いて暮秋歎ずるは誰が子ぞ
芭蕉「虚栗」

松風や軒をめぐつて秋暮れぬ
芭蕉「笈日記」

暮れてゆく秋や三つ葉の萩の色
凡兆「三河小町」

塵塚に蕣さきぬ暮のあき
太祇「太祇句選」

跡かくす師の行方や暮の秋
蕪村「蕪村句集」

枯れてたつ草のはつかや暮の秋
召波「春泥句集」

勾当の身を泣く宿や暮の秋
几董「晋明集二稿」

病妻の閨に灯ともし暮るる秋
夏目漱石「漱石全集」

冬隣(ふゆとなり)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
冬隣る、冬を隣る、冬近し、冬を待つ
【解説】
立冬を目前にして、冬がすぐそこまで来ていることを表す。四季それぞれに、「隣」の一字をつけて季題とした。「冬隣」は寒く厳しい季節に向って心構える感じがある。
【例句】
冬ちかし時雨の雲もここよりぞ
蕪村「蕪村句集」

物いはば雲はしぐれん冬近し
樗良「題林集」

ちんまりと山里成りぬ冬隣
寥松「発句題叢」

冬を待つ便りにもなる柱かな
恒丸「発句題叢」

冬待つや寂然として四畳半
正岡子規「子規句集」

鶏頭伐れば卒然として冬近し
島村元「島村元句集」

あかあかと麹のいのち冬隣
長谷川櫂「天球」

秋麗(あきうらら)三秋

季語と歳時記

【子季語】
しゅうれい
【解説】
秋のよく晴れた日をいう。春の「麗か」にかよう、美しく輝き、心がうっとりするような日和。

大雪(たいせつ)仲冬

季語と歳時記

【解説】
二十四節気のひとつ。陽暦十二月七日頃にあたる。文字通り雪国では雪の日が多くなる頃。

葉月(はづき)仲秋

季語と歳時記

【子季語】
月見月、秋風月、草津月、木染月、濃染月、紅染月、萩月、燕去月、雁来月壮月、桂月、中律、難月、中商
【解説】
陰暦八月のこと。芒の穂が風にゆれ、月が美しく見えるころである。
【例句】
綿入もさながら葉月三日なり
来山「津の玉柏」

八月や潮のさばきの山かづら
去来「渡鳥集」

二度目には月ともいはぬ葉月かな
一茶「九番日記」

わが葉月世を疎めども故はなし
日野草城「花氷」

冬の日(ふゆのひ)三冬

季語と歳時記

【子季語】
愛日、暮れやすき日
【解説】
冬の太陽や日射。もしくは冬の一日のことをいう。太陽をさす場合は冬日という言い方もある。太平洋側では異常乾燥注意報など出され、日本海側では大雪による被害がもたらされることもある。
【例句】
冬の日や馬上に氷る影法師
芭蕉「笈の小文」

冬の日のさし入る松の匂ひかな
曉台「曉台句集」

冬の日の入りて明るし城の松
正岡子規「季語別子規俳句集」

ガラス越に冬の日あたる病間かな
正岡子規「子規俳句集」

六畳の奥迄冬の日ざしかな
正岡子規「子規俳句集」

山寺や冬の日残る海の上
夏目漱石「漱石全集」

旗のごとなびく冬日をふと見たり
高浜虚子「五百五十句」

冬日濃しなべて生きとし生けるもの
高浜虚子「五百五十句」

大仏に袈裟掛にある冬日かな
高浜虚子「六百句」

やはらかき餅の如くに冬日かな
高浜虚子「六百五十句」

大空の片隅にある冬日かな
高浜虚子「六百五十句」

地球一万余回転冬日にこにこ
高浜虚子「七百五十句」

椅子に在り冬日は燃えて近づき来
松本たかし「石魂」

中空で黄昏てゐる冬日かな
長谷川櫂「虚空」

仲冬(ちゅうとう)仲冬

季語と歳時記

【子季語】
冬半ば、冬最中
【解説】
大雪から小寒の前日までをいう。寒さが厳しくなり、霜も降り始める。
【例句】
仲冬の水豊かなる池日ざし 
志田素琴「山萩」

春待つ(はるまつ)晩冬

季語と歳時記

【子季語】
待春、春を待つ
【解説】
長く厳しい冬が一段落して、寒い中にも時折春の訪れを感じる頃、新しい季節を待つ気持ちが強まる。早く春よ来い、来て欲しいと願う気持ちである。
【例句】
見ぬかたの花咲く春を待つ身かな
大魯「安永二春慶引」

口あけて春を待つらん犬はりこ
一茶「文化句帖」

小説を草して独り春を待つ
正岡子規「季語別子規俳句集」

地の底に在るもろもろや春を待つ
松本たかし「たかし句集」

春を待つ商人犬を愛しけり
前田普羅「普羅句集」

秋寒(あきさむ)晩秋

季語と歳時記

【子季語】
秋寒し、秋小寒
【解説】
秋の半ばを過ぎるころの寒さのこと。特に朝夕に感じることが多 い。少し寒いという感じで本格的な寒さではない。
【例句】
日のにほひいただく秋の寒さかな
惟然「菊の香」

秋寒し藤太が鏑ひびく時
蕪村「蕪村句集」

秋寒し編笠着たる人の形
芭蕉「梅郊句集」

秋寒や行く先々は人の家
一茶「亭和句帖」

秋寒し此頃あるる海の色
夏目漱石「漱石全集」

秋の宵(あきのよい)三秋

季語と歳時記

【子季語】
秋宵、宵の秋
【解説】
秋、日が暮れてまだ間もないころ。静かで落ち着いた雰囲気ながら、いくらか寂しくもある。
【例句】
出かかれば来かかる人や宵の秋
樗堂「萍窓集」

夜着の香もうれしき秋の宵寝かな
支考「梟日記」

語り出す祭文は何宵の秋
夏目漱石「漱石句集」

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