掛乞(かけごい/かけごひ) 暮
【子季語】
掛取/附(つけ)/書出し/借銭乞
【解説】
半年分の付けの代金を、暮に取り立てること。払えないものは雲隠れし、取り立るものは大晦日まで忙しく動き回った。米、味噌、醤油など、いまでも半年払いにしている旧い家もある。
【例句】
掛乞や無言でいぬる餅の音
許六「犬注解」
掛乞や猫の啼き居る台所
支考「草苅笛」
乞ひに来ぬかけ乞こはし年のくれ
北枝「草庵集」
掛乞ひに水など汲んで貰ひけり
一茶「七番日記」
街かげにわれも掛乞の一人なる
原石鼎「花影」
掛乞の橋に来て心定まれり
島田青峰「青峰集」