海月(くらげ)三夏
【子季語】
水母、海折、石鏡、水海月、備前海月、越前水母、行燈海月、天草水母、幽霊海月
【解説】
傘状の海洋生物。傘を開いたり閉じたりして移動する。乳白色や透明のものが多いが、色
や形大きさはさまざまである。中には毒をもつものもあり、土用のころ、海水浴場などで
人を刺す。塩漬けなどにして食材になるものもある。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【文学での言及】
わが恋は海の月をぞ待ちわたるくらげの骨にあふ夜ありやと 源仲正『夫木和歌抄』
【実証的見解】
刺胞動物門に属する動物のうち、おもに海などで浮遊生活する生物の総称で実体はプランクトン。種類が多く大きさも形もさまざま。エチゼンクラゲは傘の直径が一メートルにもなる。体はゼラチン質で体全体は傘のような形をしている。傘を開いたり閉じたりして進行するが、動きをやめて水中を浮遊していることも多い。カツオノエボシやハブクラゲ、アンドンクラゲなどは毒クラゲとして有名。エチゼンクラゲ、ビゼンクラゲは塩漬けなどにして食材にする。
【例句】
白雲の影きれぎれの海月かな
暁台「暁台句集」
取り逃がし掴み崩して海月取
正岡子規「子規全集」