冬の日(ふゆのひ)三冬
【子季語】
愛日、暮れやすき日
【解説】
冬の太陽や日射。もしくは冬の一日のことをいう。太陽をさす場合は冬日という言い方もある。太平洋側では異常乾燥注意報など出され、日本海側では大雪による被害がもたらされることもある。
【例句】
冬の日や馬上に氷る影法師
芭蕉「笈の小文」
冬の日のさし入る松の匂ひかな
曉台「曉台句集」
冬の日の入りて明るし城の松
正岡子規「季語別子規俳句集」
ガラス越に冬の日あたる病間かな
正岡子規「子規俳句集」
六畳の奥迄冬の日ざしかな
正岡子規「子規俳句集」
山寺や冬の日残る海の上
夏目漱石「漱石全集」
旗のごとなびく冬日をふと見たり
高浜虚子「五百五十句」
冬日濃しなべて生きとし生けるもの
高浜虚子「五百五十句」
大仏に袈裟掛にある冬日かな
高浜虚子「六百句」
やはらかき餅の如くに冬日かな
高浜虚子「六百五十句」
大空の片隅にある冬日かな
高浜虚子「六百五十句」
地球一万余回転冬日にこにこ
高浜虚子「七百五十句」
椅子に在り冬日は燃えて近づき来
松本たかし「石魂」
中空で黄昏てゐる冬日かな
長谷川櫂「虚空」