太秦の牛祭(うずまさのうしまつり、うづまさのうしまつり)晩秋
【子季語】
牛祭、魔多羅神、太秦牛祭
【解説】
十月十二日夜、京都太秦の広隆寺で行われる、悪疫退散、五穀豊穣を祈る奇祭。摩陀羅神の白い紙の面をつけた僧が牛に乗り、赤鬼青鬼の面をつけた四天王を従え練行の後、薬師堂前で長い祭文を読み上げる。牛の調達が困難なため現在不定期。
【例句】
角文字のいざ月もよし牛祭
蕪村「俳諧新選」
里の子も覚えて所まだら神
太祇「俳諧新選」
油断して京へ連なし牛祭
召波「春泥句集」
牛祭り能なし女聞きや居ん
嘯山「俳諧新選」
牛祭尻張声の事々し
嘯山「葎亭句集」
消し廻る灯に果て行くや牛祭
大谷句仏「我は我」
松明や牛に乗りたる摩陀羅神
中川四明「改造文学全集」