破れ傘(やぶれがさ) 仲夏
【子季語】
やぶれすげがさ/きつねのかさ
【解説】
キク科の多年草。五十センチから九十センチ程の高さがあり山地の木陰に生える。葉は七つから九つに深く裂けた大きな掌状で、夏に筒状の白い花をつける。春先の若葉のころ、名前の由来となった破れた傘のようなおもしろい姿を見ることができる。
【科学的見解】
ヤブレガサは、本州から九州の林下に生えるキク科の多年草である。葉は掌状に深裂する。若葉は密にくも毛をかぶり、すぼめた傘を開くようにして出てくる。小花が集まって形成された頭花は、円錘形になるところが本種の特徴である。同属のタンバヤブレガサやヤブレガサモドキの頭花は、散房状の花序を形成する点で本種と異なる。(藤吉正明記)