あなぐま 三冬
【子季語】
狢/まみ狸/穴堀り/まみ/笹熊
【解説】
イタチ科。ムジナ、笹熊ともよばれる。目の廻りから耳にかけて黒い体毛があり、鼻筋から額までは白い。尻尾が短かく、前足のあとに後足を重ねるようにして歩くのが特徴。夜行性、雑食性。冬は名の如く数十メートルの穴蔵の中で過ごす。
【科学的見解】
アナグマは、ネコ目(食肉目)イタチ科の哺乳類で、北海道と沖縄を除く東北から九州までに広く分布し、人里近くの低地から山地までの森林及びササやぶなどに生息している。
本種は、丈夫な爪を持っているため、穴掘りが得意であり、土壌中に迷路状の長いトンネルを掘り、家族単位の集団で生活をしている。夜になると巣穴から出て、小型の動物や木の実・果実などを採食する。冬の寒さが厳しい地域では、活動が低下し巣穴で冬眠するが、比較的暖かい地域では冬眠しない場合がある。
日本産のアナグマは、ニホンアナグマとして亜種に区分されている。また、ニホンアナグマは、別名としてムジナと呼ばれることもあるが、タヌキのことをムジナと呼ぶ地域もあるため、種名として「ムジナ」という言葉を使用すると混乱を招く恐れがある。(藤吉正明記)