薺(なずな、なづな) 新年
【関連季語】
七種、齊の花
【解説】
七種粥に入れる春の七草の一つ。実が三味線のばちに似ていることからぺんぺん草、三味線草ともいわれる。
【来歴】
『毛吹草』(正保2年、1645年)に所出。
【実証的見解】
アブラナ科ナズナ属の越年草。日本全土の野原、道ばたに自生する。丈は二十センチから四十センチくらい。葉は根元から生え細長く分裂し、春に白色の十字花を咲かせる。
【科学的見解】
薺(ナズナ)は、アブラナ科ナズナ属の越年草。日本全土の野原、道ばたに自生する。北半球に広く分布する植物である。丈は二十センチから四十センチくらい。葉は根元から生え細長く分裂し、春に白色の十字花を咲かせる。食用にされる他、草花遊びにも活用される。(藤吉正明記)
【例句】
六日八日中に七日の齊かな
鬼貫「鬼貫句選」
一とせに一度摘まるゝ齊かな
芭蕉「芭蕉句選」
濡縁や齊こぼるる土ながら
嵐雪「続猿蓑」
沢蟹の鋏もうごくなづなかな
蓼太「蓼太句集」
まな板に旭さすなり芹薺
泉鏡花「鏡花全集」