風鈴(ふうりん)三夏
♪
【子季語】
風鈴売
【解説】
夏、その涼を聞いて涼を得るための小さな鐘のことである。なかに風鈴を鳴らす金属製の舌があり、その舌につるした短冊が風に吹かれて、チリンチリンと鳴る。金属のほかガラス、陶器などで作ったものがあり、音色も形も素材により様々である。鉄は南部風鈴、ガラスは江戸風鈴が有名。
【例句】
ふかぬ日の風鈴は蜂のやどりかな
言水「京日記」
風鈴や花にはつらき風ながら
蕪村「遺草」
風鈴や草匂ふほど水きけり
富田木歩「定本木歩句集」
風鈴や古典ほろぶる劫(とき)ぞなし
竹下しづの女「はやて」
風鈴とたそがれてゐしひとりかな
加藤楸邨「望岳」
風鈴や天駆け巡りくる風に
長谷川櫂「虚空」