彼岸会(ひがんえ/ひがんゑ) 仲春
【子季語
お彼岸/彼岸詣/彼岸参/お中日/彼岸団子/讃仏会/彼岸寺/彼岸餅
【解説】】
中日をはさんで前後七日間を彼岸といい、この間寺院で行われる法要のことをさす。彼岸会のはじまりは諸説あり、平安貴族のあいだでもこの行事が行われていたことが「蜻蛉日記」や「源氏物語」にしるされている。彼岸はサンスクリット語で悟りの世界を意味し、われわれの住んでいる煩悩の世界(此岸)から、迷いのない彼岸へ到ることを願う法会といえる。聖徳太子の頃から行なわれてきた日本固有の行事。
【例句】
信濃路は雪間を彼岸参りかな
也有「水薦刈」
吹きつれて梵論も彼岸の歩みかな
白雄「白雄句集」
鳶の輪の下に鉦うつひがんかな
大江丸「俳懺悔」