甘蔗の花(かんしよのはな) 仲冬
【子季語】
砂糖黍の花
【解説】
イネ科の植物で、熱帯地方で砂糖を採る目的で栽培される。高さ 二~四メートルになる。日本では、二百余年前、琉球から内地に 伝わり、九州四国各地で栽培される。熱帯では、冬に薄のような 穂を出して花が咲く。
【科学的見解】
甘蔗の標準和名は、サトウキビである。サトウキビは、イネ科の大型多年草で、世界の亜熱帯から熱帯にかけて広く栽培されている有用作物である。日本では、亜熱帯地域である鹿児島県の島嶼部から沖縄までの地域で栽培が行われており、絞り汁を煮詰めた黒砂糖や精製された白砂糖が生産されている。それらの地域では、本種が一年以上時間をかけて栽培されているため、開花した花を見ることができる。花は、ヨシやススキと同じく、小花が集まった小穂が密につき、五十センチメートルほどの花穂となる。(藤吉正明記)