棗の実(なつめのみ) 初秋
【子季語】
棗/青棗
【解説】
秋、棗は熟し暗赤色の実となる。砂糖漬けなどにして食する。酸味があり、強壮・解熱などの薬効がある。
【科学的見解】
ナツメは、ヨーロッパ南部及びアジア西南部原産のクロウメモドキ科の落葉樹である。ナツメは、世界において食用果樹として昔から栽培されてきた。特に中国では栽培が盛んであるが、日本ではあまり栽培及び食利用ともに行われていない。名の由来は、芽吹く時期が遅く、初夏になって芽を出すことから夏芽という名がついたとされる。(藤吉正明記)
なる時もなつめにめづなもぎとるな
立圃「空礫」
よもすがら鼠のかつぐ棗かな
暁台「暁台句集」
鼠ゐて棗を落す月夜かな
村上鬼城「定本鬼城句集」
棗盛る古き藍絵のよき小鉢
杉田久女「杉田久女句集」