走馬灯(そうまとう)三夏
【子季語】
回り灯籠
【解説】
箱型の木枠の内側に薄い紙か絹を貼り、中に人や動物、草木などを切り抜いた黒紙の筒をたて、中心に蝋燭を立てたもの。熱で上昇気流が生じ、切り抜きの筒がまわり、影絵が走る様に見える。軒先などに吊るし夏の夜を楽しむ。
【例句】
見る人も廻り灯籠に廻りけり
其角「温故集」
人生は陳腐なるかな走馬燈
高浜虚子「六百五十句」
松風にふやけて疾し走馬燈
原石鼎「原石鼎全集」
涼しさのさびし走馬燈火をつがん
渡辺水巴「水巴句集」
走馬燈灯して売れりわれも買ふ
杉田久女「杉田久女句集」
走馬灯こころに人を待つ夜かな
高橋淡路女 (雲母)