糸瓜の花(へちまのはな) 晩夏
【解説】
ウリ科の蔓性一年草。実を採るために棚で栽培され、夏に釣鐘状の黄色い花を葉の根元に咲かせる。
【科学的見解】
ヘチマは、熱帯アジア原産のウリ科ヘチマ属のつる性一年草である。観賞用や化粧水として利用されてきた。花は黄色から橙色をしており、単性花(雄花と雌花)を同一個体内につける雌雄同株である。開花後、果実はこん棒状に肥大し、大きさ約五十センチに生長する。温帯地域で栽培されるヘチマは、果実中の繊維が発達するため、熟した後にはスポンジ利用がなされるが、熱帯地域で栽培されるものには果実中の繊維がほとんど発達しないものが存在し、それらは食用として利用されている。(藤吉正明記)
【例句】
糸瓜咲て痰のつまりし仏かな
正岡子規「子規全集」