柳蘭(やなぎらん)三夏
【子季語】
柳草
【解説】
アカバナ科の多年草。山野の日当たりの良い草原に群生している。 葉が柳の形に似ているところから名が付いた。直立した一メートル~一.五メートルの茎に葉が互生し、上部に花穂が出て濃いピンク色の4片の花が多数つく。花は下から上へと咲き上がる。秋 に細長い五~八センチくらいの果実が出来、熟すと裂けて、白く長い綿毛のついた種子を風に飛ばす。美しい花も、秋風に吹かれ る種子の白い綿毛も印象的である。
【科学的見解】
ヤナギランは、アカバナ科の多年草で、東北地方の北部から北海道の高原草地に生育している。ヤナギランの種子は綿毛を有しているために、風の影響を受けいち早く撹乱(伐採跡地や山火事跡地)後の場所に定着し、群落を形成する。近縁種としては、本州中部から東北地方南部に分布するウスゲヤナギランや山梨県北岳に分布するヒメヤナギランが存在する。(藤吉正明記)