紫草(むらさき) 晩夏
【子季語】
花紫/紫の花/根紫
【解説】
ムラサキ科ムラサキ属の多年草。日本各地の山地に自生する。根は染料や薬用に利用されてきた。草丈は四十センチから八十センチくらい。六月から八月にかけて、花径八ミリくらいの白い花を咲かせる。
【科学的見解】
ムラサキは、ムラサキ科の多年草で、北海道から九州までの乾いた草地に生育している。花は、穂状または総状花序を作り、花冠は漏斗状から高杯状となる。本種の根は、シコニンという色素を含み、紫色の染料として草木染に活用されてきた。近年では、野生の個体数が激減し、絶滅危惧種に指定されている。近縁種として、外国から導入されたセイヨウムラサキが知られており、極稀に野生化しているとのことである。(藤吉正明記)