春日(はるひ)三春
【子季語】
春陽、春日影、春の朝日、春の夕日、春日向
【関連季語】
春の日、春光
【解説】
春の太陽、春の日の光をいう。春の一日という意味の「春の日」とは区別して用いる。
【来歴】
『山の井』(正保5年、1648年)に所出。
【文学での言及】
うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば 大伴家持『万葉集』
【例句】
まん丸にいでても長き春日かな
宗鑑「俳諧初学抄」
うち晴れて障子も白し春日かげ
鬼貫「仏の兄」
春日影音も香もなき鏡かな
越人「鵠尾冠」
春の日や鴎ねぶれる波の上
闌更「半化坊発句集」
大いなる春日の翼垂れてあり
鈴木花蓑「鈴木花蓑句集」
草の家の柱半ばに春日かな
芥川龍之介「澄江堂句集」
欠とぢて唇一線や春日猫
原石鼎「花影」
篁を染めて春の日しづみけり
日野草城「花氷」
水底にゆく水うつる春日かな
大谷句佛「我は我」
大佛の俯向き在す春日かな
松本たかし「松本たかし句集」