潮干狩(しおひがり、しほひがり) 晩春
【子季語】
汐干、潮干貝、潮干籠、潮干船
【解説】
潮が引いた砂浜でアサリ、ハマグリなどの貝をとること。旧暦の三月三日ころの大潮は、潮の干満の差が大きく、干潟が大きくなるので潮干狩りに適している。
【来歴】
『俳諧寄垣諸抄大成』(元禄8年、1695年)に所出。
【例句】
歩み来ぬ岬のなりに潮干狩
白雄「白雄句集」
しほひ狩もみうら既にぬれむとす
大江丸「はいかい袋」
汐干くれて蟹が裾引くなごりかな
嵐雪「虚栗」
三月の四日五日も汐干かな
許六「正風彦根躰」
ざうり買ふ小家うれしき汐干かな
蕪村「落日庵句集」
照りつけて海草匂ふ汐干かな
樗良「題林集」
汐干より今帰りたる隣かな
正岡子規「子規句集」
絶壁のほろほろ落つる汐干かな
前田普羅「普羅句集」