豆の花(まめのはな) 晩春
【子季語】
豌豆の花、小豆の花、大豆の花、いんげんの花
【解説】
春に咲く豌豆、蚕豆、隠元豆、小豆、大豆などの総称。白やピンク、紫などの可憐な蝶形の花を咲かせる。
【科学的見解】
春に咲く豆の花としては、越年性(冬型一年草)のマメ科植物であり、それらは野菜と野草に分けられる。いずれも播種及び発芽時期は、前年の晩夏から秋頃であり、冬の寒さや日長(一日の日の長さ)の刺激により花芽が形成される。花の形は、特徴的であり、複数の形の異なる花弁(旗弁・側弁・竜骨弁)で構成されている。(藤吉正明記)
【例句】
空大豆の花に初瀬の道もなし
句空「卯辰集」
落柿舎に長逗留や豆の花
格堂「春夏秋冬」
蝶に雨にうきそら豆も花盛
鶯笠「発句題叢」
豌豆やただ一色に麦のはら
白雄「白雄句集」
屋根石に吹煙洩るる豆の花
杉田久女「久女句集」