秋の色(あきのいろ)三秋
【子季語】
秋色、秋光、秋景色、秋望む
【解説】
秋らしい色のこと。具体的には、黄金色の稲田や紅葉に染まる山の色をさす。
【来歴】
『増補花火草』(延宝6年、1678年)に所出。
【文学での言及】
夕づく日むかひの岡のうす紅葉まだきさびしき秋の色かな 藤原定家『玉葉集』
山里の里のしるべの薄紅葉よそにもをしき秋の色かな 後鳥羽院『玉葉集』
秋の色は籬にうとくなりゆけど手枕なるるねやの月影 式子内親王『新古今集』
【例句】
箔のない釈迦に深しや秋の色
鬼貫「犬居士」
秋の色糠味噌壺もなかりけり
芭蕉「草庵集」
裏門に秋の色あり山畠
支考「浮世の北」
なみ松の間々や秋の色
荷兮「曠野後集」
秋の色野中の杭のによひとたつ
暁台「暮雨巷句集」
一山や秋色々の竹の色
夏目漱石「漱石全句集」