良夜(りょうや、りやうや) 仲秋
【子季語】
良宵、佳宵
【関連季語】
名月
【解説】
月の明るい美しい夜のことだが、主として旧暦八月十五日の中秋の名月の夜を指す。
【来歴】
『俳諧小づち』(明和7年、1770年)に所出。
【文学での言及】
八月十五日九月十三日は婁宿なり。この宿、清明なる故に、月を翫ぶに良夜とす『徒然草』
【例句】
我庭の良夜の薄湧く如し
松本たかし「野守」
葭切の静まり果てし良夜かな
川端茅舎「川端茅舍句集」
山の蟇二つ露の眼良夜かな
森澄雄「鯉素」
良夜かな赤子の寝息麩のごとく
飯田龍太「今昔」
香盒の獅子の眠れる良夜かな
長谷川櫂「新年」