冬の山(ふゆのやま)三冬
【子季語】
冬山、枯山、山枯る、雪嶺、冬山家、冬山路、冬山肌、冬嶺、冬登山
【解説】
冬になり草木の枯れ尽くした山。山脈は雪をかぶりその美しさは格別。低い山ではスキーやスノーボードなど冬のスポーツを楽しむ人も増えてきた。登山をする人もいるが遭難者も多い。
【例句】
心隈なくぞ覚ゆる冬の山
才磨「一字幽蘭集」
鵜の糞の白き梢や冬の山
惟然「藤の実」
めぐり来る雨に音なし冬の山
蕪村「遺草」
あたたかき雨にや成らん冬の山
召波「高徳院発句会」
かくれなく重なり合ふや冬の山
蝶夢「草根発句集」
筆頭でかぞへて見たる冬の山
一茶「七番日記」
里囲む冬の三山晴れにけり
大須賀乙字「乙字句集」
雪嶺よ女ひらりと船に乗る
石田波郷「鶴の眼」
雪嶺のひとたび暮れて顕はるる
森澄雄「雪眼」
枯山の月今昔を照らしゐる
飯田龍太「山の木」