枯芒(かれすすき)三冬
【子季語】
枯尾花、芒枯る、枯薄、尾花枯る、冬芒
【解説】
枯れ尽くした芒。葉も穂も枯れ果て、茎の部分が風に揺れる姿は寂寥感の極み。枯れ尽くした芒も野原一面に群れると美しくもある。雪や風の中に見るのも風情がひとしお。芒は秋の季語。
【例句】
ともかくもならでや雪の枯尾花
芭蕉「北の山」
枯きつて風のはげしき薄かな
杉風「木曾の谷」
枯尾花野守が鬢にさはりけり
蕪村「蕪村遺稿」
水際の日に日に遠しかれを花
暁台「暁台句集」
土になれ土になれとやかれ尾花
一茶「七番日記」
空也寺や町から見ゆる枯尾花
梅室「梅室家集」
落柿舎のひとむら芒枯れにけり
村上鬼城「定本鬼城句集」
路傍の石に夕日や枯すすき
泉鏡花「鏡花全集」
枯尾花日光富士を消しにけり
渡辺水巴「水巴句集」
日にとくる霜の白さや枯芒
原石鼎「花影」