桜の実(さくらのみ)仲夏
【子季語】
実桜/桜実となる
【解説】
桜の花が終わったの小さな実。豆粒ほどで食べられず、次第に黒っぽくなる。
【科学的見解】
桜は、バラ科サクラ属植物の総称で、在来の野生種としてはヤマザクラやオオシマザクラ、エドヒガン等が有名である。また、江戸時代に発見された雑種としては、ソメイヨシノ(オオシマザクラとエドヒガンの雑種)が知られている。それらの種には、開花後夏ごろ一センチほどの果実が実り、熟すと黒紫色に変化する。酸味や苦み等の特徴があるので、生食には不向きであるが、砂糖を加えジャム等の加工食として楽しむことができる。(藤吉正明記)
【例句】
実ざくらや死にのこりたる菴の主
蕪村「蕪村句集」
実桜やいにしへ聞けば白拍子
麦水「葛箒」
桜の実わが八十の手を染めし
細見綾子「虹立つ」