足袋(たび)三冬
【子季語】
革足袋、色足袋、白足袋、足袋洗う、足袋干す
【解説】
防寒用の履物としての足袋をいう。白や紺、表地にキャラコ、綿繻子、ナイロン、裏には天竺木綿や白ネルなどををつける。他に家庭用の女物として別珍で仕立てた色足袋もある。現代では靴下にとって変わられたようである。足袋を綴る、足袋を洗って干す、というのも懐かしい冬の景となった。
【例句】
足袋はいて寝る夜ものうき夢見かな
蕪村「蕪村句集」
千代かけて結び納む閨の足袋
土芳「蓑虫庵集」
百姓の足袋の白さや野辺送り
松本たかし「俳句文学全集」
信心の祈り伏したる足袋のうら
星野立子「笹目」
病む人の足袋白々とはきにけり
前田普羅「前田普羅句集」
足袋つぐやノラともならず教師妻
杉田久女「杉田久女句集」